「譲れない働き方」と聞くと、新卒の方も各々持っているものではないかと思うかもしれませんが、本記事は中途の方向けとなっています。
理由は、以下に記すキャリア・アンカーの定義によるものです。
本記事では、キャリア・アンカーの概念と8つのタイプについてご紹介しますので、ご自身にどんなキャリア・アンカーがあるのかぜひチェックしてみてください。
キャリア・アンカーとは
アメリカの心理学者シャインが提唱したキャリア理論の概念です。
アンカー(anchor)とは、”錨(いかり)”を意味します。
航路から外れないように、あるいは安全な港に停泊できるように、船が錨(アンカー)を下ろすことになぞらえて、自分が本当にやりたいことをよく考えるための拠り所、または自分自身を発見する拠り所であると説明される概念です。
ポイントとなるのは、キャリア・アンカーは職業を継続するなかで(キャリア選択を重ねるにしたがって)時間をかけて形成されるものである、という点です。
職業に就いてから5~10年のキャリア初期段階の時期に開発され、その後の職業選択やキャリア発達を方向づけるとされています。
キャリア・アンカーの8つのタイプ
それでは具体的なタイプを見ていきます。
キャリアを歩むうえでのご自身の価値観や欲求を明確にすることで、満足度の高い働き方をすることに役立ててみてください。
仕事に悩みを抱えている方、転職を考えている方に役立つ一つのツールとなるでしょう。
①特定専門分野/職能別コンピテンス
ある特定の業界・職種・分野にこだわる。専門性の追求を目指すが、いわゆる技術系に限らず、ずっと経理畑を歩むことなども含まれる
②全般管理コンピテンス
総合的な管理職位を目指す。①とは対照的に特定分野にとどまらず、組織全体にわたるさまざまな経験を求める
③自律/独立(自由)
制限や規則に縛られず、自律的に職務が進められることを重要とする。内的な感覚として、自分の仕事のやり方を自由に自分自身が決めることを望む(自分自身が自由に仕事を進められているという認識があれば良い)
④保障/安全
生活の保障、安定を第一とする。経済的に安定していることは誰しも望ましいことであるが、リスクをとって多くを得るより、安定をもっとも大切なこととする
⑤起業家的創造性
新規に自らのアイデアで起業・創業することを望む。現在起業していなくても、常に起業することを意識していることも含まれる
⑥純粋な挑戦
チャレンジングなこと、誰もしたことがないことに取り組むことを求める。ひとつの挑戦が達成したら、さらに新たな挑戦を追い求め、「挑戦すること」「挑戦し続けること」自体に価値を置く
⑦奉仕/社会献身
仕事のうえで人の役に立っているという感覚を大切にする。さらには、社会全体への貢献を求めることもあるため、所属している組織に限らない奉仕活動に専念することもある
⑧生活様式
仕事生活とその他の生活との調和/バランスを保つことを重要視する。最近増加の傾向にあるアンカー
おわりに
自分に当てはまるキャリア・アンカーは見つかりましたか?
特に強い項目はもちろんですが、当てはまると思う項目を全体的に見て、ご自身の価値観・傾向・欲求・生活背景・矛盾など、あらゆる側面について考察・分析してみてください。
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