2023年5月10日、政府は就職活動の日程ルールの見直しを発表しました。
本記事では、この見直しの内容について、就活生の方々にわかりやすくご説明します。
目次
現在の就活日程ルールは?
就職活動期間は、原則として3月1日から12月31日までとされています。
広報解禁は大学3年生の3月以降、選考活動は大学4年生の6月以降、内定は10月以降です。
ただし、あくまで就職活動に関するルールは、学生や企業内での合意に基づいています。
そのため、選考時期や内定時期が原則よりも早期化しているように、法的に強制力のあるルールではありません。
なお、2020年度から2022年度までは、新型コロナウイルスの影響により、就職活動期間を4月1日から12月31日までに限定する措置が取られていました。
新ルールの内容は?
新ルールでは、大学4年生の6月を待たずに、大学3年生の春休みから採用選考活動を開始できるようになります。
ただし、これには以下2点の条件が設けられています。
1.専門性の高い人材であること
2.専門活用型インターンシップを2週間以上経ていること
新ルールはいつから適用される?
2026年春以降の卒業予定者(=現大学2年生)から適用されます。
それまでは、現行のルールが適用されます。
専門人材とは?
では、新ルールの対象となる「専門人材」とは具体的にどのような人材を指すのでしょうか。
結論からいうと、「専門」の定義は現状企業任せとされており、具体的な要件は明らかにされていません。
しかし、専門活用型インターンシップで体験できる代表的な分野から考えると、以下のような分野に長けた学生であると想定されます。
・エンジニアリング
・デザイン
・マーケティング
・法律
・医療
・教育
・コンサルティング
専門活用型インターンシップとは?
専門活用型インターンシップとは、2022年4月に新たに定義された「タイプ3:汎用的能力・専門活用型」のことで、おもに企業単独や大学が企業あるいは地域コンソーシアムと連携して実施されるインターンシップです。
具体的には事業所・研究所・工場等での実務体験、営業などへの同行、企業の事業・業務説明、グループワーク、発表会・報告会を盛り込むスタイルが一般的です。
参加期間は2週間以上と定められています。
新ルールによる就活生のメリット
言うまでもありませんが、早い段階で企業に能力をアピールでき、早期の内定獲得が可能になります。
また、専門活用型インターンシップへの参加が条件となるため、予めスキルを身につけておくことで企業から重宝される人材になれる可能性があります。
新ルールの懸念点
ここではあくまで就活生にとっての懸念点を挙げます。
新ルールが適用される学生は専門活用型インターンシップに参加し、専門人材として就活を行うため、当然企業からは就業体験の内容やそこで身につけた能力、採用選考活動の実績などの情報開示が求められるでしょう。
深刻な人手不足とはいえ、倍率の高い企業へ応募する際は競争が激しくなるので、ただ「専門活用型インターンシップに参加した」という事実だけでなく、身につけたスキルを活かせることをしっかりと示せるように自己研鑽することが必要です。
また、専門職を希望するなかで、専門活用型インターンシップへ参加をしていなかった場合、通常の選考日程ルールに則って就活をすることになります。
その時にはすでに希望する企業の専門職の採用が終了していたり、採用人数枠が狭まってしまっている、という可能性があります。
まとめ
新ルール適用によって、更なる就活の早期化が予想されます。
希望する企業に就職するためには、就活生は早い段階から積極的な企業研究、説明会・インターンシップ情報のリサーチが必要になるでしょう。